高校入試の思い出(2007)

今週のお題 試験の思い出

高校入試の試験中、消しゴム(分度器だったかもしれない)と線引きを1回ずつ待機室に忘れたことに気付いて小さく挙手し試験監視役の一人の先生に持ってきてもらった。2回である。神経が太いからではなく必死だったからである。

持ってきてくれたのがおそらく2回とも同じ教員だった。20代半ばくらいの綺麗な女の人だった。

倍率1倍だったその入試には無事合格した。でもほとんど関わらなかった。あまりにも関わりが薄かったので名前も教科も忘れてしまった。

その先生が体育の先生と結婚したのだか結婚まじかまで行って別れたのだかそんな噂があった。

このエピソードを思い出さない限り機嫌が良くなさそうで冷たそうな印象しか残らないので多分そんな雰囲気の人だったんだと思う。90年代美人という感じの華奢な顔立ちでワンレンボブをよく梳いた髪型だった気がする。

部室で一つ上の先輩たちの会話を聞いているとなんだか小馬鹿にされながら嫌われているような雰囲気があり、なんでそんなに嫌われてるのかはよくわからないけど分かる人には分かる勘に触るかんじっていうのがあるのかもなあと思っていた。

先輩が、その先生が来ていたカーディガンだったかアンサンブルを「あれイオンで見た。しかもあいつ色違い着回してるよね。イオンのイロチ着回しだよ?!」と憎たらしげに語っていたのがとても印象に残っている。

わたしにはそれがバカにされる選択だということ自体が知らない世界で、その先輩もかなりいわゆるいい女という感じの人だったので、一定以上垢抜けた人たちにはわかるコードというか、「アリナシ」があるんだ〜なと感心して聞いていた。

その先生とは自分が在学中直接話したことがあったかどうかすら記憶にないが、線引きを探して持ってきてくれたときのその綺麗な先生の優しい笑顔は重ための水色で透明の線引きとセットで覚えている。